いびきの轟くドミトリーを飛び出し、私はその言葉に導かれるように、電車に乗りました。
1時間以上揺られた先に待っていたのは、NONAKAご夫妻のお迎えと、まさかの新展開でした。
その足で向かったのは、なんと家具屋さん。
NONAKAさんご夫妻は、私のために寝具や調理器具など、生活に必要なものを次々と購入してくださいました。
自分の好みの物を買うのではなく、一つ一つに拘り、それを使うことでどのような効果があるのか、全てにおいてそういったことを基準に選んでくださいました。
正直なところ
「えっ?私ここに住むの……?」
と、まだ心が追いついていない状況でしたが、どうやら私はNONAKA氏のお世話になるようです。
到着したのは、やはりNONAKA氏のご自宅。
……の裏にある、馬小屋でした。笑
でも、その馬小屋の中にはちゃんとしたDKやトイレのある部屋があり、そこを片付けて、住めるスペースにしていくというのです。
「さあ、片付けましょう」
と、NONAKAご夫妻と一緒に、大掃除が始まりました。
何時間もテキパキとパワフルに、ひたすらに片付け続けると、干し草や砂埃などがあった馬小屋が少しずつ綺麗になり、“暮らしの空気”を帯びていきました。
「超能力者お断り」と言われたその先に、必ずもっと最良の場所が用意されているとは思っていましたが、まさかこんな展開が待っていたなんて、想像もつきませんでした。
やはり潜在意識は、私たちが想像もできない方法で、「最良の未来」へと連れて行ってくれるのです。
大抵の場合、顕在意識で想像していたアレンジの斜め上をいくことが多いのですが、このことからも分かるように、顕在意識でアレンジをイメージするなんて全くの無意味だということをお分かり頂けると思います。
予定が崩れてしまっても、それはもっと別のアレンジが待っているということで、こうやって日本での生活とは比べものにならない場所が用意されるのです。
NONAKAご夫妻と一緒に掃除をし、手料理を振る舞っていただき、明け方にはようやく寝られる状態にまでなりました。
アレンジに従った結果、私は馬小屋で生活しながら、NONAKA氏の暮らし方や物事の捉え方、潜在意識やエネルギーについて、直接、深く学ぶという大きな大きなチャンスを掴みました。